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a.異常状況をいち早くキャッチし、次の行動に備えたい。
b.緊急的な状況を速やかに理解し、次の行動に移りたい。
5)視覚障害者特有の情報ニーズヘの対応が、既に大量に試みられているのに比べると、聴覚障害者特有の情報ニーズヘの設備的な対応は、ほとんど考慮されていない現況といえよう。

 

3-3 応の方向性についての考察
1. 設備的な対応における留意点
1)聴覚障害者に対応する案内様式は、
a.ビジュアル・サイン
b.電子式(可変情報に対応できる)表示装置の2種で、これらにより視覚案内をシステムとして構築する必要がある。
2)視覚案内には基本的に、音声案内を併用しないでも成立する、システムとしての完成度が求められる。
3)異常状況も含めた緊急的情報の表示には、電子式表示装置の活用が考えられる。
4)電子式表示装置に臨機応変な情報を流すためには、技術的に詳細な検討が必要である。
5)電子式表示装置に異常時情報を表示する場合、
a.ターミナル駅内のさまざまな位置で確認できるように、設置場所を工夫する。
b.聴覚障害者の誘目性を高めるため、表現方法を工夫する。
などの配慮が必要である。
6)電子式表示装置の設置場所には、
a.各駅出入口
b.通路上の基本動線分岐点など主要な箇所
c.各鉄道のりば改札口付近
d.ホーム上などが考えられる。
7)電子式表示装置の誘目性を高める方策として、
a.異常時情報を表示する時に点灯する回転灯を装置に取り付ける。
b.同上時、誘目性の高い色の光を点滅させる。
などが考えられる。

 

2. 環境整備上の留意点
1)聴覚障害者から、ターミナル駅では大型広告が目立ちすぎ、視覚案内がなかなか見つからない、との指摘がある。
2)ターミナル駅には、視覚案内のほかに、次のような誘目性の強い視覚的な要素がある。
a.商業広告
b.横断幕などの鉄道会社キャンペーン・ツール

 

 

 

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